Haruka2 Essay

雅楽:舞と奏


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□悠久の音色・雅楽。それは大陸のどこかで生まれ、日本に伝わりました。 天と地を示す楽器、天と地の音。舞と奏。
 文字ではちとムリがありますが、簡単に雅楽と舞楽の世界をご紹介します。

     ☆雅楽の舞のご紹介です。

■大陸系
◆一般に「舞」とか「舞楽」とかいうのは、この大陸系の左舞、右舞の ことです。他とどう違うかというと、華やかさが...あと、 つける衣装がエキゾチックで、ステキです。
平安時代に成立しましたが、このころは雅楽とは言わなかったそうです。 後代に生まれた日舞、能とは違う、おおらかな大陸の舞。 これを育てた平安の貴族は、サッスガ...のセンスといえそうです。

雅楽、特に管弦は女性はだめという時代もありましたが、 平安時代は女性も学ぶ場所があり、舞っていました。 現在の舞楽は、男女ともに舞い、そして奏でるものです。

□左舞(さのまい) 唐楽(とうがく)
左方走舞「蘭陵王」より インド、ベトナム、中国から渡ってきたもので、演奏のみの管弦と、 舞がある舞楽があります。舞は、赤い色の装束、金色の アクセサリーの衣装で舞います。

迦陵頻みたいに冠をつけたり、稜王・抜頭のように仮面をつけあり する舞が多く、それがとってもエキゾチック。また、面と合った 衣装の派手さも手伝い、キレイな右舞に比べ、 動と陽の雰囲気があります。


左方武舞・散手 左舞の曲は、序・破・急の三楽章からなりますが、全部演奏できる(伝わっている) 曲は少ないようです。舞がない部分は、管弦といって、 雅楽フルオーケストラ状態で、演奏のみとなります。 原則として管弦があるのは左舞のみです。 左舞の舞楽には、管弦に使う弦楽器(琵琶と筝の2弦)が入りません。

舞のない、管弦の場合、六種類の調子のどれかで演奏されます。 壱越調・平調・双調・黄鐘調・盤渉調・太食調といい、 洋楽の嬰ハ短調とか、変ロ長調とかにあたるものでしょう(想像)。

□右舞(うのまい) 高麗楽(こまがく) 有名な胡蝶です。 白浜。都合により左右反転してます。
朝鮮半島から伝わった舞で、通常は舞楽だそうです。 青・緑系の衣装で舞います。 胡蝶など、落ち着いた感じの舞が多いみたいです。
右舞は、管弦がありません。そして左舞では舞楽に使わなかった 弦楽器が舞楽でも使用されます。
右舞の調子は3種類で、高麗壱越調・高麗平調・高麗双調です。

右方走舞・貴徳 ◇左右の舞は、大きく、4人か6人で舞う文舞、1人でよく動く走舞、 太刀を携帯し鉾をもつ武舞、子どもが舞う童舞の4種に分けられます。

◇この左右の舞は、次第に演奏の様式化がすすんだようで、今の雅楽は次のように 演奏されてます。
1.最初に矛をもった左右の舞い手2名が「振鉾」(えんぶとよむ)を行います。
2.左舞から始めて、左右交互に舞います。
3.左右の舞が終わると、双方の菅方(オーケストラだろう)が「長慶子」 というのを演奏し、終了します。

■国風歌舞
□神楽歌(かぐらうた)
おなじみ浦安の舞  広くは一般の神社などで神に奉納する歌謡をいうが、狭い意味では 宮中の内侍所で舞う「御神楽」をいう。み神楽は夕方から深夜にかけ、 庭火一つの明かりで奏されたらしい。時間きわめて長い。
 一般の神楽歌をを1つ紹介する。
「天の戸を 開いて月も 夜もすがら しずしず拝む 天の岩戸を」
神と自然を謡うものである。

□東遊(あづまあそび)
名前のとおり、東国の風俗歌と舞である。雅楽中異色。 駿河舞と求子舞の2曲を舞うもので、これも江戸に復興された。

能・仕舞 □倭歌(やまとうた)
宮中の鎮魂祭と、奈良・春日大社の神事でのみ奏される。 舞は大和舞。

□久米歌(くめうた)
 神武天皇みずから振り付けたという久米舞の歌。ただし今の久米舞は、 江戸時代に復興されたので、なんとゆーかその。

□大歌(おおうた)
 五節舞に使う。天武天皇の琴にあわせ、5名の天女が舞ったものという スゴイいわれの作品。5人で舞う。

□誄歌(るいか)
ヤマトタケル尊が亡くなったときに、家族が謡ったという。 大喪の時に謡う。舞はつかない。

■謡いもの
□催馬楽(さいばら)
平安時代初期にできたもので、年貢を納めにやってくる地方からの 使いたちが道すがら歌っている歌を、貴族が編曲して宮中で奏したもの。
 句頭の独唱で始まり、笏拍子をうちながら、次第に他の歌手が斉唱を いれていきます。斉唱では楽器が入りますが、笙が旋律を1本吹きで とります。

□朗詠(ろうがく)
平安時代中期にさかんになったもので、漢詩に曲をつけて歌います。
独唱から入り、斉唱です。伴奏は笛3種だけで、笙は同じく1本吹きで旋律を吹きます。




   ☆雅楽の楽器の紹介です。

篠笛
■管楽器
□笙(しょう)
 雅楽独特の笛といったら、この笙です。天を表す楽器です。
17本の竹を束ねたような形をして、 竹の根本にはそれぞれリードが付いています。2本の筒には ついていません。 これを5,6本まとめて吹くので、和音となり、主旋律に彩りを そえるものです。息を吸っても、吹いても、同じ音色が出せる という変った楽器です。
 演奏前に暖めないといい音がしないとか...

□篳篥(ひちりき)
 雅楽の主旋律をになうタテ笛です。大地を表すそうです。
表7穴、裏2穴で、中にはヨシで作った2枚リードがしこまれており、 この単純な2枚リードが、まあすごい音を出します。たしかに天の 音とはとてもいえない。 名手になるまでは、練習は防音室でお願いしたい笛です。

□横笛(おうてき) 龍笛(りゅうてき)
 天と地をいったりきたりする龍をあらわすのだそうです。
 平安時代はほぼ全部が龍笛ですが、後の時代に3種にわかれます。 左舞・唐楽の管弦に用いる「龍笛」、右舞の高麗楽に用いる「高麗笛」、 国風舞の神楽歌などに用いる「神楽笛」です。 龍笛は7穴、高麗笛と神楽笛は6穴です。
 音は吹き方を変えて2オクターブ出ます。雅楽では本数が一番多い のがたぶんこの龍笛です。

 さらに後の時代、2つの新しい笛が考案されます。1つは「能管」で 能に使う龍笛です。ひしぎという高音が出やすくしてあります。
 最後の1つは「篠笛」で、しの竹を使う6or7穴の笛で、 他の笛と違い西洋の12音階全部の音が出ます。
 現在の民間の祭りのお囃子に 主旋律として使われているのがこの篠笛で、客観的にみまして、 どの雅楽の楽器よりも、美しく澄んだ上品な音を出します。

■打楽器
□太鼓(たいこ)
 管弦で使うの釣大太鼓、舞楽で使うのが大太鼓で、直径55cmくらいの 厚さが薄く大きい太鼓です。一見ドラみたいですが、太鼓です。

□鉦鼓(しょうこ)
 これは太鼓ではなく、シンバルみたいな金属打楽器です。 江戸祭囃子ではカネといってます。

□鞨鼓(かっこ)
 直径23.5cmの皮が、タル型の胴の両側についてる、 鼓の大きいのみたいな楽器です。これが雅楽のペース設定をする ため、演奏者は熟練した人が適しています。

■弦(上記以外の楽器)
□琵琶(びわ)
 後の平家琵琶と区別するため、楽琵琶ということもあります。 4本の弦と4つの柱があり、ばちで上からなでるように 弾きます。

□筝(そう)
 これも後代の筝と区別するため楽筝ということもあります。 弦は13本、竹の爪をつけて弾きます。 今の琴に比べ太い弦を使います。




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