ヴァルキリー・プロファイル
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エニックス・トライエースのアクションRPG。PS。1999年発売。





Valkyrie Profile発売からもうすぐ4年。 今でも、時々レナスに会いたくなる。VPの世界に 行きたくて。だから私のVPは終わらない。

アリューゼと姫君の、カシェルや夢瑠の 悲しい物語と、まるで相対するような死後の軽口ぶりが 見たくなる。 オーディンやフレイの重たい会話が聞きたくなる。 そしてレナスの聞く、死者の声...。

ヴァルキリープロファイルの世界...悪者ばかり 勝ち誇る世界。勇者たちを殺した悪党がのさばり、 不毛な都市間の戦争が弱者を苦しめながら続く、人間界。 それを守ろうとするレナスと勇者たち。
なぜ--?--それは人と神の間、善と悪の間の理。 その「間」の者たちの 力により、何度も物語は表裏をひるがえす。

正義の天秤はだれが量るのか。
女神ジャスティスを見なくなって久しい、 今のこの世の中。神と人をつなぐレナスが恋しい。


 みんなで成仏しましょう?死後に物語が展開する、変わったRPG。
 絵柄がまずびっくり。19世紀の芸術家が描いた絵本みたい。 すべての場面が美しい。すべての音楽が雰囲気がよく作品とあって、 いい。ヴァルキリーの声がいい、短い台詞がいい、キャラもいい、 必殺技がみんなきれい。キャラの動きも軽快。
 個人的にうれしいのが、横スクロールで1次元アクションになっていること。 かなりこれでアクションヘタは楽になるのです。
 考えられるRPGの要素ほとんど全部がいい、名作と思います。

 そして、物語は...これがヴァルキリープロファイルの、最もいいもの なのでしょう。奥が深くて、こっています。
 成仏させるキャラは、死ぬまでの物語が描かれる。その 物語はいずれも、人間らしく、悲しい。救いがない話がほとんど。意味の無い戦争を 続ける人間...その中でささやかな幸せを求めようとする人々。 何かのために立ち上がる勇者たちは、その願いはかなわず、多くは 悪者の手により死んでしまう。結果、ことの元凶は解決されない。 でも、それこそが...人間なのである。
 ヴァルキリーであるレナスの仕事は、アース神族のために 人間の死者を天界に送ることなのだが...この仕事内容自体に 疑問をもたないと、物語はベストエンディングにならない、 というか、作品にならないのだ。
 この今だかつて無いエンディング条件は、攻略本なしでは、よほど深読みしないとわかんないぞ()!

 記憶をとりもどしていくレナスと、死者である勇者?たちは、 悪者たち・強者たちが最後に笑うかなりひどい人間界を、 それでも守ろうとする...

 しかしこのゲーム、物語を追う前に、画面の美を追ってしまう。
 つまり、背景が抜群にいい。特に亡失都市ティバンと 精霊の森は、この美しい景色の中ヴァルキリーを動かしているだけで幸せだった。 深い森のいりくんだ木々、入り込む日差し、下草。これは実際に森に入って見て 描いたのではないでしょうか。

  続編...これだけ華麗に終わった作品、難しいか...でるとうれしいのですが。

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